色をなくした世界
それを違う意味に取ったのか、一馬は雪乃の頭をポンポンと叩く。


「一馬で良いよ。春日谷さんじゃ・・・何かキモイ」


この会社は自分の頭をポンポンと叩く人ばかりだな・・・と思っていたところに、その言葉。


雪乃はビックリして顔を上げる。


「呼び捨てなんて無理です!!!」


雄大から一馬は雪乃の3つ上だと聞いている。年上を呼び捨てになどできない。


「一馬以外返事しないよ。むっさい男ばっかりなんだから、せめて女の子に呼び捨てで呼んでもらいたいじゃん?」


こんなキャラだったのかと・・・雪乃は信じられないような気持ちで一馬を見る。


「せめて一馬さん・・・じゃダメですか?」


最後の抵抗を試みるが・・・失敗に終わる。



「駄目。あの日のお礼と言うなら、靴下じゃなく名前にしてよ」


一馬が呼び捨てにこだわる意味を・・・この時の雪乃は知らなかった。



「それと敬語もなしね。雄大にはため口なんだから良いだろ?」



雄大君と一馬さんは違うと言おうとしたが、一馬に遮られる。



「分かった?返事は?」


< 73 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop