彼は、理想の tall man~first season~
chapter.15*
― 中條 side ―


飲んでいた彼女が、急に大人しくなり、どうかしたのかと思いながら横に座っている彼女を見ると。


「ん?」

まさか、寝てんのか?


スースーと、規則正しく、それはそれはとても気持ちよさそうに眠っていた。


「美紗ちゃん?」

「・・・・・・」


声を掛け、軽くゆすっても、彼女は全く起きる気配がなく。

俺は少しテーブルを動かしてスペースを作り、彼女を抱え上げた。


「見た目以上に軽い、な」

ベッドにゆっくりと彼女を下ろすと、

「――んっ」

動かしたことにより、軽く反応を示した。

が、意識はここには有らずな様で――。


「も、なおき、ねむぃ」


酔っているのか?

寝ぼけているのか?

自分の家に居るような気でいるらしく――俺と尚輝を勘違いをしているようだった。


本来なら、着替えさせた方がいいんだろうが、勝手にってのも気が引ける。

少し部屋の照明を落とし、何か寝巻きの代わりになりそうな服でもと思い、一旦部屋を出た。


松本が前にハワイ土産だと買って来た奇抜な色のTシャツと。

下は、これでいいかと手に取ったハーフパンツ。
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