彼は、理想の tall man~first season~

そんなに優しい表情にさせることが出来ちゃう妹さんが、なんだか羨ましいと思えた。

永遠に兄妹なら、ごちゃごちゃ考えなくて済むのに――。


焼酎はそんなに好き好んでは飲まないから、軽く味見をさせてもらった。

これなら軽く水割りかなと思った私は、中條氏が持って来てくれたミネラルウォーターで割らせてもらい――

「いただきまーす」

「カンパイ」

たった今、中條氏とロックグラスで乾杯をした。


芋焼酎ブームというのは去ったらしいけど、智子は割と好きだって言ってたなーとか思い出しながら。

飲み慣れない芋焼酎を飲むと、案外こういうのも悪くないかもと思えてしまって。


「もう少し、飲めそう?」

「はい」

「それじゃ、もう少しね」

「いただきます」


その後は、中條氏のペースにはまってしまって、もう少しどころか――グイグイ飲んでしまった。


その結果――、

「中條さんて、家でもお仕事する人なんですかぁ?」

「ん? たまにだけどね」

「そうなんだぁ~」

私はすっかり酔い始めていた、らしかった。


そして、とっくに雨は止んでいたみたいだけれど、睡魔に襲われ――。
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