彼は、理想の tall man~first season~

いや、寧ろ飲まない方がいいんじゃないかとさえ思った。

「――ちゃん?」

飲んだら、その統計の中の一身に自分もなるんだと思ったら。

同じ土俵の中には入りたくないと――変なプライドが私にそう思わせた。

「美紗ちゃん?」

「あ、うん・・・・・・そうだね」


絶対に変な間があったんだと思う。

絶対に変な表情をしていたんだと思う。


「水割りにしようかな」

だけど、変な空気とか本当に苦手だから、私は口をそう動かして直ぐキッチンに向かった。


モヤモヤした気持ちで、ミネラルウォーターを冷蔵庫から取り出していると、尚輝と晃もその焼酎を飲むと言い出し。

最終的に4人でダイニングテーブルを囲む形になり。

モヤモヤした気持ちで飲み始めていた私は、お酒のペース配分を完全に誤り。

尚輝からヤメとけと言われても水割りではなく、ロックで飲み続けていた。


「この紫蘇焼酎、美紗チョイスなん?」

「まあ、たまにはこういうのも飲みたい気分で」

「ふーん、珍しい」

氷を足していると、隣に座る尚輝からのそんな言葉にも、なんとなく面白くない。
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