彼は、理想の tall man~first season~
缶と缶を軽く合わせ、サッカーを観ながら乾杯。
試合終了間際に追加点を入れた日本代表は、2対0で見事勝利した。
ご機嫌状態で、お酒をガバガバ飲み始めた尚輝と晃。
そんな2人をちょっと離れた場所から見ていた敦君と私。
やっぱりなんだかんだで、この男2人は邪魔な気がしてきて、私はこっちはこっちで楽しもうと、そう思った。
缶酎ハイだけで留めておこうと思っていたお酒は、買って来た紫蘇焼酎の瓶に手が伸び、私はそのフタを開けていた。
そして、グラスに氷をいれていた私に――
「女の子って、このお酒好きなの?」
「――え?」
敦君からの微妙な問い。
私はその質問に、一瞬動けなくなった。
敦君の女性遍歴なんて知らないし、知った所でってことにはなるけれど――。
そんなこと聞かれるなんて思っていなかった私は、軽くショックを受けていた。
女の子ってそのお酒好きなの?なんて、その統計は――敦君が今までに知り合ったんだか付き合ったんだか――それら女の子の統計だろうことは間違いなくて。
今日は悪酔いしないように、水割りにしておこうと思った。