彼は、理想の tall man~first season~

缶と缶を軽く合わせ、サッカーを観ながら乾杯。

試合終了間際に追加点を入れた日本代表は、2対0で見事勝利した。


ご機嫌状態で、お酒をガバガバ飲み始めた尚輝と晃。

そんな2人をちょっと離れた場所から見ていた敦君と私。


やっぱりなんだかんだで、この男2人は邪魔な気がしてきて、私はこっちはこっちで楽しもうと、そう思った。


缶酎ハイだけで留めておこうと思っていたお酒は、買って来た紫蘇焼酎の瓶に手が伸び、私はそのフタを開けていた。

そして、グラスに氷をいれていた私に――

「女の子って、このお酒好きなの?」

「――え?」

敦君からの微妙な問い。

私はその質問に、一瞬動けなくなった。


敦君の女性遍歴なんて知らないし、知った所でってことにはなるけれど――。

そんなこと聞かれるなんて思っていなかった私は、軽くショックを受けていた。


女の子ってそのお酒好きなの?なんて、その統計は――敦君が今までに知り合ったんだか付き合ったんだか――それら女の子の統計だろうことは間違いなくて。

今日は悪酔いしないように、水割りにしておこうと思った。
< 365 / 807 >

この作品をシェア

pagetop