彼は、理想の tall man~first season~
少しだけ、気になっていたモヤモヤが晴れた。
「予定が合えば、木曜日、どこかで待ち合わせて、ご飯食べに行こうか?」
「――行く!」
そして突然の嬉しいお誘いに、ついつい本気の声が出てしまって、敦君は一瞬目を見開き。
だけど、次の瞬間笑っていた。
「やだ――っ違います、つい」
「うける、いいね、今の反応」
「いやいや、ホントに、行きたいなぁ~みたいな感じで」
どう取り繕っても、目上の人に対しての返事が『行く』とか――無礼極まりない。
けれど、敦君は全く意に介さずな様子で、寧ろこの状況を楽しんでいる様にも思える雰囲気だった。
「今日は、会った時からなんとなく感じてたけど、結構頑張ってくれてるでしょう?」
「――え?」
「この間俺が言ったこと」
「あ、それは――」
スマートに出来ていないことは自分でも解ってはいるけれど、フランクな話し方は、今日は相当頑張ってる。
ぎこちなさは顕著かも知れないけど、気付いてくれていたということに、頑張っていた気持ちが救われる。
「食べに行くなら、何系がいいかな?」
聞かれて、うーん?と、考えてみた。