1年D組説明書
「すまん、すまん……つか、何で謝ってんだ俺」


大知は今更我に返った。


「いつも大人ぶってるからや。うん。絶対!」


椋介は自信満々に断言する。


「えーいいじゃんかぁー…………あれ?」


急に大知が立ち止まった。


「何や、どうしたん?」


椋介は、大知に訊いた。


「あれっ……今日って入学式なのか……悲惨だぜ……」


「はあ?」


大知の迷言に椋介は戸惑う。


「何でやねん。入学式あったら先生何か言うやろ。」


「でも何か知らねー奴ばっかりいんだけど。」


「マジで?」


「マジ。」

自信ありげな表情をしてる大地を見た椋介は、大地の視線の先をみた。


其処には、ちゃんと『入学式』と書いてある看板が建ってあり、新品の制服を着た後輩達が、どんどん門に入って行っていた。


「…………あんな、大地。」


「ど、どうしたん。」


大地は、椋介が急に冷静になったので動揺する。


椋介はずっと立ち止まったまま、静かに口を開いた。
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