償いノ真夏─Lost Child─


「あ……あああ……」

真郷の瞳からこぼれた雫は、白いシーツに滲み、やがてシミをつくった。

「小夜子……!」

はたして彼女は、あの場所で待っていたのだろうか。──いや、たとえ待っていなかったとしても、自分は行かねばならなかった。
そんな彼女を、自分はまた裏切ってしまった。

失意の中、真郷の瞳には遠い村の炎だけが、ゆらゆらと揺れていた。




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