恋のはじめ

___14




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『明日、正午に屯所内の資料室で』



そんな用件だけの短い山崎の言葉通り、次の日、太陽が真上に昇ったのを見計らい、咲希は資料室へと向かった。



今日この時間、咲希に仕事がないのを知って言ったのだろうか。


もしそうならば、それは山崎の気遣いなのだろうか。



咲希はそう考え、気持ちの良い空気に当たりながら廊下を歩く。



これから、島原事件の全てが分かる。



何故父が巻き込まれ、殺されたのか。



誰が殺ったのか・・・・



咲希の全身に緊張が走り、からからの口内をどうにか潤そうと無理やり唾液を呑みこんだ。



そして、角を曲がる。



が、



「あれ・・・・?」




見覚えのある風景。



目の前の襖の奥からは、さっきまで一緒に居た室たちの笑い声。



つまり、咲希たちの部屋。





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