ワケがありまして、幕末にございます。
客用の茶請け買ってこい
この言葉により、アタシは今街に来ている。
ぶっちゃけ嫌がらせだと思う。
選ぶのに目ぇ何回も開けなきゃなんないし、めんどいし。
しかもちゃんと土産も買ってこいと言ってきたあたりただのパシリだ。
ま、小姓はそんなモンだけどさ。
前に土方と歩いた道を今は1人で歩く。
その時より人が多いのか、それともアタシが見えてないからか。
歩くのに苦労する。
ぶつからない様に、一歩ずつ。
気配が分かっていても常に動いているモノはなんだって避けづらい。
それは人間も例外ではなく。
…いや違うな。
気配が分かりやすいのは生きているモノだけだから、反対にただの置物とかは避けることが難しい。
…今では慣れたけど。