ワケがありまして、幕末にございます。
「…お前が眠りこけている間に、来たで。
…アイツ、伊東が」
「え、ちょ、…おいっ?」
アタシのその間抜けな声は間抜けに部屋に籠る。
近藤さんと平助は例の奴を呼ぶため、確かに屯所を出ていた。
けど、まさか。
…こんなに早く来るなんて。
しかもアタシが寝ている時って。
更に超間抜けじゃん、アタシ。
早い。
早いなぁ。
ここから先、伊東の介入により急速に新撰組が崩れ始める。
その片鱗は既にアタシの間近にあった。