わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 そんなことを考えながら、黙々と歩き続ける私に、せなくんは軽く苦笑を漏らしながらも続けた。

「距離を置きたいだけじゃないかなぁ。
 別れるつもりとか、本当はなくて」

「『別れよう』ってはっきり言われたよ?」

 言いたいことが良くわからず、せなくんも知っているであろう事実をわざわざ伝えた。


「離れてる間、秋山さんを縛りつけるのが嫌だったんだと思う。
 一旦別れて、それで秋山さんが他のヤツ好きになったら、それはそれで仕方がないとか考えてんじゃないかな。
 それに……
 『待ってて』なんて、あの悠斗が言う訳ねぇわな」

 せなくんがそう言った後、乾いた笑い声が小さく聞こえた。


< 170 / 363 >

この作品をシェア

pagetop