わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「どうして急に離すの?」

 傍らに立って呆然と見下ろしている冬以を見上げて文句を言えば、

「『離せ』って言ったから」

 申し訳なさそうに眉尻を下げて、冬以は遠慮がちな小声で答えた。
 予想通り過ぎて、分かりきっていることを尋ねた自分自身に呆れた。

「いじわる」

 冬以に向かってボソリと呟いたら、悔しさがどうしようもなく込み上げて来て。
 みるみる視界が滲んでいった。


「ごめん、立てる?」

 冬以が心配そうに私を見詰め、身を屈めて右手を差し出した。

「立てない……
 でも、冬以に助けてもらうのだけは絶対にイヤ」

 そう言って泣き出した私に、「そっか」と冬以はふんわり微笑んで、私と向かい合うようにして地べたに腰を落とす。
 あぐらをかいて座った冬以は、

「じゃあ、立てるようになるまで、待ってる」

 笑顔のままでそう言った。


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