わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 楽しそうだなぁ。

 田所の世界では、何も変わらない時間が流れているような、そんな気がして。
 一段と寂しさが増す。


「ほのか~!」

 背後から大きめの声で呼ばれて振り返れば、綾子と照哉くんが仲睦まじげに並んで立っていた。

 ああなんか、やっぱり……
 今はまだ、幸せそうな二人を直視できないな。

 思わず俯いてしまった。
 けれど、さすがにこれは二人に対して失礼過ぎる、と思い直し恐る恐る視線を上げて、もう一度二人を見た。


「こんなとこでボーっとしちゃって。
 どうしたの?」

 綾子が不思議そうに小首を傾げて問う。
 と、私の肩越しに視線をやった照哉くんが、慌てて「ちょっ、綾ちゃん!」と綾子を肘で小突いて制す。


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