わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「綾子。
 ごめんね」

 重い口を開けば、私の細くて消えそうな声ですら、やけに響き渡った。

 隣の綾子が、バッと私の方を向き、目を見張る。
 けれど、すぐにフッと笑みをこぼして、「いいよ、気にしてない」と言いながら、クルリと向きを変えて窓の外を眺めた。

 私も綾子に倣って身体をゆるりと回転させる。

 運動場もオレンジ色に染まっていた。
 ユニホームやジャージ姿の男女も塗りつぶされたみたいにオレンジ一色で。

 けれど、外はやっぱり眩しくて、私は無意識に目を細めた。


「今日、わたしは……
 自分の想い全部を田所に伝えるよ。
 そしたらスッキリするんじゃないかな。
 思いっきり体当たりして、それで砕け散るなら、それはそれでいいと思う。
 潔く吹っ切れる気がする」

 ポツリ、ポツリと、自分自身に言い聞かせるように言った。


< 213 / 363 >

この作品をシェア

pagetop