わたしとあなたのありのまま ‥2‥
山田がゆっくりと振り返って私を見た。
それでも私は正面を向いたままだ。
山田はわざとらしく大きな溜息を吐くと、
「なぁ秋山。
お前が空気読めないヤツだってのは知ってたけどさ、正直ここまでだとは思わんかったわ」
期待通りの言葉をくれた。
「え? 私が立ってるココ、山田さんの敷地?
違うよね? みんなの廊下だよね?
そしてみんなの窓だよね?」
そう返して、嫌味なぐらい全力で微笑んでやった。
山田はすぐさませらちゃんの方を振り返り、
「せらちゃん、心配すんな。
こいつの怒りに触れないよう、細心の注意を払いつつ、やんわりと“今すぐ”追っ払うから」
『今すぐ』をやけに強調しながらも、山田は声を潜めて言う。
おい、山田。
その秘密の作戦会議、対象に丸聞こえなんですけど。