わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「やめないで」

 思わず訴えれば、

「答えろ、ほのか」

 優しい声音で言い田所は、私の右耳に唇を落とした。
 そこに丁寧過ぎる愛撫を受けて、ため息に似た何かが、私の口から零れた。

「答えるまでこのままだけど。
 そんでもい?」

 一瞬だけ唇を離して囁いた。
 いつもの意地悪とは少し違う責めに、益々身体が敏感になる。


「『今度は俺が、お前の大切なものを奪ってやる』って」

 抗うことができずに、しぶしぶ答えると、田所が弾かれたように上体を起こした。
 酷く傷ついた顔を見て、ああ、やっぱり言うべきでは無かったと、再び後悔した。


 けれども田所は何も言わず、行為を再開した。
 さっきよりもずっと激しく。


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