トランキライザー

「そうか」

「うん」

 それ以上店長は何も聞いてこなかった。

「どうする?つぐみちゃんが店に来たら。入れないようにしようか?」

「ははっ、そんなに気を使わないでよ。来ないと思うし、もし来ても入れてよ。さすがにそんなことで出禁とかありえないって」

「そうだな。悪い」

「なんで店長が謝んのさ」

「さぁ、なんでだろうな」

 そう言いながら、店長は長い髪を束ねていた。

「まぁ、仕事までここに居るのはいいよ。好きにしな」

「ありがとう。あ、他の奴には言わないでくれよ」

「あぁ」
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