トランキライザー

 聞きにくそうに呟いた。

「・・・あぁ、一応」

「なんかあった?」

 そう言われて、俺は黙った。

「悪ぃ。思い出したくないなら言わなくていいから」

「いや、そうじゃないけど。あいつさ、俺の知り合いとキスしてたんだ」

 そう言うと、敦志は目を丸くしていた。

「頬にされてんだけどさ、さすがにドン引きしたってわけ」

「・・・はっ、はは、流石に繋がりある奴とはNGだろうよ」

「だよなぁ」
< 145 / 186 >

この作品をシェア

pagetop