トランキライザー

「そんな選択肢はないってか?まぁ、あんな可愛い子捨てるのはもったいないわな」

「いや、その選択肢がないわけじゃない」

 俺がそう言うと、びっくりしたかのように目を見開いていた。

「お前がそんなこと考えるんだな」

「あれは重症だからな」

「まぁ、顔がよくても、浮気症っていうのはなぁ。ほかの性格は普通なのにな」

「しかも、俺の家で。そんなところを目撃するほど気分悪いものってないぜ」

 思い出すだけで気持ち悪い。男の裸なんか見たくもねぇ。
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