甘く、甘い、二人の時間


左手の薬指。


キラキラ輝くダイヤのリング。



つい、うっとりと、それを見つめてしまう。




「…ふふ。」


「ふふ。じゃないでしょ?!気持ち悪いから、一人でにやけないでよ。」


「…ひど…。」




いつもの居酒屋。


カウンターで隣に座る莉乃は、呆れた顔して毒を吐く。




でも、いいの。


気持ち悪くても、にやけちゃうのは仕方ない!



だって、幸せなんだから。




「何かさ――菫が幸せそうなのは私も嬉しいけど、その間抜け顔だけは何とかならないの?可愛い顔が台無しよ?」



ふん。

キツイ莉乃のダメ出しもなんのその。


気にせずサワーに手を伸ばす。




「こら、菫!無視するな!」


「まぁまぁ、莉乃さん落ち着いて。」





カウンター越しに聞こえたのは、康介の声。





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