‡3姉妹の恋‡【幸せになりたい私たち】

「はい 今送ったわよ」


改札を出てすぐのカフェに入り
宗はモーニングセットの
クロワッサンサンドを
頬張っていた


「ん、ふぁんくぅ(サンキュ)」


「ちょっと!宗ってばっ
ソース垂れてるってー」


頬張ったクロワッサンサンから
染み出たマヨネーズソースが
テーブルに落ちたから

私の
紙ナプキンで拭いた


「あ、わりィ」


宗も自分の口元にソースがついてたから
私の持ってた紙ナプキンを
私の手首ごと掴んで
口元を拭いた


「そ、宗ってばっ!」


素早く手をひっこめて
紙ナプキンを丸めた


よほどおなかが減ってたのか
あっという間に
食べきってしまって
セットについてるヨーグルトに
手を付けるかと思えば…


「一華……やる」


「へ?!」


私の目の前に
ガラスの器に入った
白いヨーグルトが差し出された


「あれ? 宗…キライなの?」


「あぁ…やる」


「ブッっ…そうなんだ…へぇー」


「なんだよっ?わりィかよ?!」


「ん?ううん、別に…フフッ」


ちょっと照れくさそうに
下を向き、
スーツのポケットから
スマホを出し、片手で持って
親指がスイスイと画面上を動いていく


ふーん…


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