里帰しの3人
「一人で突っ走った事は悪いが、こうしてアイツを里に帰せた。
アーテルがここまでやらなければ、もっと危険な状態になっていたかもしれない。
それにおじさんにお前を傷つけたらタダじゃ済まないし……
こう言う良い方も悪いと思うが、怪我をしたのがイーシャで良かった」


……と。それフォローしているつもりなのかな？

後半なんて思いきりレイの本音だと思うのだけど。特にタダじゃ済まないと言う辺りとか。

そう思うと少しだけかしくなって、笑みが出た。

きっとレイなりの私の元気づけ方なのだろう。レイはどこか不器用だから。


「さて、元気になったな？　帰るぞ。ちゃんとイーシャの手当てもしないといけないし」

「……うん！」


笑う私を見て、レイが照れくさそうに言う。

思わずまた私はその姿におかしくなって笑ってしまう。

帰ってから数分後に更なる悲劇が待ち構えているなんて知らずに。
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