《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
ドキドキする胸と汗ばむ掌は、
緊張のせいだけじゃない
かもしれない――…。




「洸さん入られましたー。

スタンバイお願いしまーす!」



誰かスタッフの声が響いて、
あたしはハッと我に返った。



「おー、今日もいい感じ
だね、洸クン!
よろしく頼むよ」



「こちらこそ、よろしく
お願いします」



カメラマンの人と洸さんが
軽く握手を交わして、すぐに
また離れる。



洸さんの傍にはさっき
洸さんと一緒に来たメイク
らしき人がサッと近寄って、
顔に小さなパフを当ててた。


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