《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
それが終わると洸さんは
クルッと首をまわし、左右
からライトの当てられた
白い幕のような物の前に立つ。



「……始まります。

とりあえずは、洸の仕事
ぶりをしっかりと観察して
ください」



隣に立つ瀬戸さんが、前を
見たまま小声であたしに言った。



ゴクッと息を飲んで見つめる
なか、撮影が始まる――…。




(う……わ………!!)



明るさを増したライトと、
連続で響くシャッター音を
浴びて。



洸さんは光の中心で――
堂々と、踊る。



(……踊る?

何考えてるの、あたし……)


_
< 112 / 480 >

この作品をシェア

pagetop