《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「な、なんですか?」



「いや……ずいぶん大きな
声が出るようになったな、
と思って」



「こ、声……?」



何をいきなり? と思って
振り向くと、洸さんは
あたしと目を合わせて
ニヤリとした。



「自分じゃわからないか?

お前、出会った頃は蚊の
鳴くような声しか出せて
なかったぜ」



「えぇっ?」



蚊って、いくらなんでも
そこまでじゃないと思うん
だけど……

で、でも、たしかにオドオド
しゃべってたっていうのは
あるかな?



「――少しは自覚がある
ようじゃないか」



「は、はい……」


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