《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
ここは駅から少し離れてる
から、10分くらい歩かないと
いけない。



夜風に首をすくめながら、
早足で歩いてると――
突然、耳に鋭い音が届く。



「―――――?」



車のクラクションだ。



まるで何かの合図のように
短くプップーと鳴ったけど、
見てなかったから車道にある
どの車かもわからない。



でも、それほど気にも
とめないで進んでると
――もう一度鳴る。



(何なんだろ。うるさいなぁ)



再び車道に目をやって気づいた。


道路の端に、今寄せて停車
したばかりの黒塗りの車がある。


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