夏の空~彼の背中を追い掛けて~
俊ちゃんに恋をしていても、心の片隅にはまだ漣が居る。
とってもとっても小さいけど、特別な火種がまだ燻っている。
きっとそれは、何もかもが初めての人だったから、記憶から消える事のない思い出なんだと思う。
こんな風に話し掛けられたり、優しくされたりするような事があったら、特別な火種が恋の火種に変わらないとも限らない。
“この人が好きだけど、あの人も気になるんだよね~”
“どっちも選べない”
そう言うのって、浮気性みたいで私は嫌い。
でも今後も漣と接点を持ったら、そうなりそうで怖い。
だからお願い!
心を乱す様な事はしないで。
私の心情に気付かない漣は、尚も話を続ける。
「彼氏…出来たの?」
え゙っ?何でそんな事を聞くの?
キスマーク=H。
H=彼氏。
そうとは限らないでしょ?