夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「真弥、ちょっと良い?」
物凄く怖い顔で近付いて来た漣が、私の腕を掴み、応援席から離れた場所まで、強引に引っ張って行く。
「漣、放して!私は漣に用なんて無い!!」
沢山の視線がある為大きな声も出せず、捕まれた手を振り払う事しか出来ない。
「真弥!お前の好きな人って、今来てる俊て言う奴なのか?」
初めて見る漣の気迫に、私は一歩後退る。
「そうだよ!でも漣には関係ない!!邪魔しないで!」
「関係ない訳ないだろ!?」
強い口調で言い放った漣は、人目を避ける様に、グランド隅の部室裏へと私を連れて行く。
「ちょっと、漣!関係ない訳ないってどう言う意味!?私達はもう終わってるんだよ!?」
「確かに…別れようと言ったのは俺だ。けど、離れて分かったんだ。真弥が、俺にとってどう言う存在か…」
はっ!?今更何言ってんの!?
「漣、自分勝手すぎ。あの時、私がどんなに傷付いたか分かる!?」
どれだけ泣いて、ずっと忘れられず引きずっていたか、何にも知らないでしょ!?
「…悪かったと思ってる。ごめん……」
手を放し、漣は急に大人しくなった。