夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「「あ…あのね(さ)…」」
私と俊ちゃんの言葉が同時に重なる。
「俊ちゃんから先に話して良いよ」
どうぞと言う手振りをすると、俊ちゃんは険しい表情を浮かべ、躊躇いがちに話を始めた。
「孝道の事…ごめんな」
「う…ん…」
孝道と言う言葉に、あの恐怖感がジワジワと甦る。
「アイツさ、女と別れてからずっと右手が恋人だったから…多分、我慢出来なかったんだと思う」
右手が恋人って…つまり1人でしてたって事ね…。
まぁ男だから、それは仕方ないと思う。
「真弥には2度と怖い思いをさせないように言っといたから、もう大丈夫だと思う。だから…孝道の事、許してやってくれないか?」
「……分かった…。俊ちゃんが助けに来てくれたから、許してあげる」
「有り難う」
ずっと険しい表情をしていた俊ちゃんの顔が、漸く穏やかになる。
その顔を見てるいると、自然と私の気持ちも穏やかになり、フッとある疑問が湧いた。
「そう言えば、俊ちゃんはどうして、私が倉庫に居るって分かったの?」
あの時《イマスグソウコニキテ》のメッセージに対し、私は返事を返さず、相手が俊ちゃんだと思ってそこへ向かった。
だから、私が倉庫に居る事を知らなかったはず。