夏の空~彼の背中を追い掛けて~
好きな人を苦しめてまで、私は自分の幸せを優先出来ない。
ごめんね…赤ちゃん。
あんなに守るって約束したのに、今目の前に居る大好きな人の幸せを選んじゃった…。
「ごめんね…。守ってあげ…られなくて…ごめん…ね……」
泣きじゃくる私の頭を、俊ちゃんは申し訳なさそうに撫で続ける。
「……う゛っ…」
赤ちゃんの最後の抵抗なのか、今までにない位の嘔吐感が私を襲う。
「う゛う゛っ……」
私は道の隅へ走り、体の中から押し上げて来るモノを、そこに吐いた。
「真弥!大丈夫!?」
俊ちゃんは私の隣にしゃがみ、優しく背中を擦る。
は…恥ずかし過ぎる。
こんな姿を、好きな人に見られるなんて…。
「もう……大丈……う゛っ…」
立ち上がろうとすると、それを阻むように、また嘔吐感が押し寄せる。
「真弥……それが悪阻って言うやつなの?」
「うん…多分…。吐くのは初めてだから、悪阻なのか精神的なものなのか、良く分からない……う゛う゛っ…」