夏の空~彼の背中を追い掛けて~
男性恐怖症になったのも、陽人が言い寄ってくるのも、全部自分がしてきた事の結果。
今は紀香や広川さんが何かと助けてくれるけど、いつかは自分の力でこの壁を乗り越えなければいけない。
立ち止まって、甘えてばかりじゃ何にも解決しないし、前へも進めない。
それに…私は赤ちゃんのママ。
この先どうなるかまだ分からないけど、こんな弱虫じゃ大切なモノだって守れない。
頑張れ、真弥!
1歩を踏み出せ!!
自分で自分に渇を入れ、私は広川さんの後を静かに追い掛けた。
だけど、休憩室のドアが目の前に迫ると、急激に足が重くなる。
勇気を出して、中へ入らねば!!
頑張れ!!頑張れ!!
弱気になる気持ちを奮い立たせたのに、何故か広川さんはそのまま外の椅子へと腰を落とす。
えっ?
「中で広川さんの友達が待ってるのに、入らなくて良いの?」
「うん。私は今、直方さんって言う友達と外に居たいの」
うぅっ…何て優しい人なんだろう。
広川さんの素敵な言葉に、視界がジワジワと霞み出す。
「有…り難う…」
私は今にも零れ落ちそうな涙をグッと堪えて、その隣に腰を下ろした。