夏の空~彼の背中を追い掛けて~
もう泣かない!って決めてたのに…。
笑って過ごすって決めたのに…。
ほんの僅かでも、俊ちゃんと過ごした幸せな時間がここにはある。
だからこそ、恋しくて堪らない。
会いたい…俊ちゃんにギュッて抱き締めてもらいたい…。
でも、それは無理。
諦めるしかない。
そう思えば思う程、心が潰れそうになり、いつまでも涙が滝のように流れ続けた。
コンコン!
私の涙が落ち着いた頃、教官が運転席の窓ガラスを叩き、顔を覗かせる。
あっ…そうだった!
こから路上教習だ!!
ゴシゴシと顔を拭いていると、そっと運転席のドアが開けられた。
「直方さん、少しは落ち着いたかな?」
「はい……。心配をお掛けしてスミマセン」
「いや、良いんだよ。直方さん、悪いけど後部座席へ移動してくれるかな?」
「えっ……!?は…い……」
私は良く分からないまま、教官の指示に従った。