もらう愛=捧げる愛
「初音!」


職員通用口から出ると、いつもの声があたしを呼び止める。


多田さん…。


「帰ろう。乗れよ」


誘われた助手席に、あたしは何も言わずに乗る。


「初音?」


「…どうして」


「んぁ?」


「どうして課長にあんな事…!」


「ククッ…。当然の報いだろ?オレの初音にちょっかい出すからさー、少し痛い目にあってもらっただけ」


「ヒドイ…!」


「酷い?酷いのは、初音だろ?全部初音がまいた種だぜ?」


あたし…。


そうだ、あたしなんだ…。


多田さんをこんな風にしてしまったのも、課長を傷つけたのも、みんなみんな…あたしのせい…。


悔しくて下唇を強く噛む。


血の滲む味。
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