もらう愛=捧げる愛
警察…。


病院関係者に警察が聞き込みして、課長との事、多田さんとの事、別れた堤さんとの事…。


知られちゃいけない。


職場に、ハルくんにあたしはこの秘密を暴けない。


「初音、ホラ帰るぞ。もうオレが欲しくて欲しくてたまんねーんだろ?ククッ…」


「初音は渡さない」


「課長ー、あまり深入りすんなよ。また初音の傷が増えるぜ?」


「初音、警察に行こう」


「…行けません」


「なぜ?」


「あたし…あたし、このままでいいです…」


「初音…?」


「ホラ、な?初音はオレから逃げられねーんだよッ!わかったら帰れッ!オマエはもう用済みなんだよッ」


「初音?」


「…課長、ありがとうございました。あたし、多田さんと行きます…」


「初音…」


握ろうとする課長の手をかわして、あたしは席を立った。


「もう…関わらないでください…」


それだけ言い残し、あたしは多田さんと喫茶店を出た。
< 87 / 137 >

この作品をシェア

pagetop