愛する人。




『土曜日と日曜日は会社が休みだから、僕の病室で寝ちゃうんだ。

 それでいつも婦長さんに怒られるんだよ』


 そう言って、嬉しそうに思い出してはくすくす笑って彼女の事を思い出す裕太にぃ。


 俺は彼女を想ってる時の彼の顔が、大好きだった。




 あんなに穏やかに。

 あんなに静かに。


 ……俺も『女性』(ヒト)を愛せるかな……。





 彼女が不意に時計を見て、本をバックにしまった。



 ……裕太にぃの検査が終わる時間か。


 俺に気付く事なくそのまま俺の前を通り過ぎ、ロビーに続く硝子扉を開けて中に入って行ってしまった。




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