愛する人。





 兄さんが俺を長椅子に座らせて、自分は立ったまま。


 異様な空気にいたたまれなくて、何かを言おうと口を開いた時。


「……木村さんの事よ」



 母さんが俺をまっすぐ見ながら裕太にぃの名前を出した。




「木村 裕太さん。
 知ってるわね?」


「ああ」



 ……何だか喉が渇く。



「木村さんの病状、知ってるわね」

「ああ」



 早く終わらねぇかな。ジュースが飲みたい。




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