愛する人。





「一生に一度の事なんだから、彼女に合わせてやったら?」


 俺の言葉に「分かってるよ」と更に口を尖らせる。



「まぁ、確かにここにして良かったよ。

 ……本当に、良かった」



 最後の一言は小さく呟いて。

 でも、俺はその意味を分かってなかった。



「そろそろ上がらないと逆上せるぞ」


 ……お前はさっき入ったばかりだろ。


 ほんの五分ほどで風呂から出る海斗に苦笑い。

 食事の時間もあったから、そのまま俺もおとなしく風呂から上がった。




< 372 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop