誠姫



屯所へと足を進めながら、土方の荒々しい声が頭に響く。



姫芽は、右左右と目線をキョロキョロ変え、定まらないまま口を開いた。



「うるさい、馬鹿、ありがと・・・」



だんだんと小さくなる声に土方はふっと口角を上げ、桜の木を後にした。






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