誠姫

桜散る夜の姫



何故か校内に設置された無駄に広いパーティー会場。



そこに並ぶ沢山の料理、プレゼント、そして集まる全校生徒。



そんな中、ステージ裏で姫芽は胸を躍らせて今か今かと出番を待った。



理事長である祖父の挨拶が終わり、司会者である生徒会へマイクが渡されている様子がカーテンの隙間から見える。



「もうすぐだ・・・」



そう呟き、再度隣に立つ全身鏡に自分の姿を確認した。



そして、



「本日の主役、西園寺姫芽の登場です!!」



司会者の声が会場の隅々に響き渡り、ジャーンという効果音と共に一気に幕が上がった。



全校の光る笑顔と、鳴り止まない拍手。



「おめでとう」という声があちこちから飛んできた。



悠から渡された紅白のリボンの付いたマイクを手に取り、「ゴホン」と一つ咳払いしたところで会場は静まり返った。



「えー・・・皆さん、本日は私の誕生日パーティーの為に集まって下さって誠にありがとうございます。私も今日で16歳となりました。この日を迎えられたのは、父様、母様、そしてここにいる皆さんのお陰です。本当にありがとうございます。そんなお礼も込めて、本日は皆さん存分に楽しんでいって下さい」



短く、だが心のこもった挨拶に、またしても盛大な拍手が送られる。



そして、ケーキが運ばれ、皆でバースデーソングを歌い、たくさんの食事をしながらプログラムは順調に進めらていった。



順調なはずだった。



このまま、何事もなく最高の誕生日になるはずだった。



なのに、神は何を思ってこう運命を大きく変えたのだろう。





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