使者の黙示録
(軽い感じのするお人だ)


占い師がそう思う間に、男は彼女の机の前までやって来る。


近くで見たその男は、ボサボサの髪にヨレヨレの服を身にまとい

30歳くらいに見える割には、歳相応のしっかりした様子が感じられず

痩せた身体は、力強さというものが全く伝わってこない。


一般人にはあり得ない強烈なオーラを放つ、その男は

とても世の中を変革させるほどの運命を背負っているとは思えない。


(なんだ、このギャップは?)


占い師の頭の中は、困惑の色に染まりつづける。


これが、占い師の女性と茅島団司との、最初の出会いだった。

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