使者の黙示録
話が終わり、団司がその場を立ち去ろうとしたとき

ルゼは、何かを思い出したように団司を引きとめる。


「使者よ、あなたに言っておきたい事がある」


団司は、やれやれと思いながら呆れた顔を彼女に向ける。


「さっきも言ったが、俺には人類を救うほどの力は…」

「いや、そのことではない」


ルゼは、団司の目をじっと見据えて言った。


「あなたは、白い修道服を着た高校生ぐらいのシスターを知っているだろう」


それを聞いた団司の表情が、満面の笑顔にきりかわる。

その急激な顔つきの変化に、ルゼはビクッと驚いた。

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