使者の黙示録
しばらく黙っていた団司だが

やがて重そうに口を開き、真実を告げる。


「誰に話したところで」


深い悲しみが、その目にあふれている。


「誰も信じないさ」

「……」


確かに、なにも知らない人たちに、人類の絶滅を必死になって叫んだところで

いったい、誰が信じるというのだろうか。

キチガイ扱いされるのが普通だろう。


それが紛れもない事実だと悟ったルゼは

団司に返す言葉を見つけることが出来なかった。

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