使者の黙示録
「シスター・マヤ、どこか具合が悪いのですか?」

「いえ、別に」


マザー・アミコに、そう答えるシスター・マヤだが

実は、数日前から体調が思わしくない。

それほど酷いということはないのだが、気分がすぐれず身体が重い。


最初は、少し気にかかったマザー・アミコだが

本人が大丈夫と言っているなら大丈夫だろうと、さして気にも止めなかった。


そうした少女のちょっとした異変を、軽く考えていたマザー・アミコは

このとき、まさかシスター・マヤが、死線に飲み込まれそうな状況にあるとは

まったく知るよしもなかった。

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