使者の黙示録
そこまで思い出したシスター・マヤだが

以後の記憶が、プッツリと途絶えている。

その時点で自分は気を失ったのだということに、シスター・マヤの思考はたどり着く。


いま、自分の身体に意識を向ければ

気を失うまでの、どうしようもなかった気分の悪さが、跡形もなく消え失せ

いままでに味わったことのない、すっきりとした爽快感に全身が満たされている。


自然に治ったとは思えない。


ということは


(この人が?)


シスター・マヤは、額の汗をぬぐっている団司の顔を、じっと見つめる。

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