使者の黙示録
「俺、あの子たちと話したことあるよ!」


団司は、まるで小学生が自慢話でもするような顔で語りはじめる。


「あの日は、あそこら辺でシスターが俺の背中にぶつかって…」


野瀬にすれば、団司は警戒すべき要注意人物だ。

それは間違いないのだが

実際に団司を目の前にして、様子を見ていると

この男からは危険な匂いも雰囲気も、まったく感じない。


野瀬は、団司に会うまえから抱いていた違和感そのままに

団司の子どものように無邪気な笑顔と笑い声に、さいさい警戒心をそがれ

その都度、呆然となって立ちつくす。

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