使者の黙示録
(あの子たちに接触しなかったのは、俺がいたからか?)


野瀬が団司の後ろ姿を見ながら、そう思ったとき

団司が急に足をとめて、野瀬の方を振り向く。


「俺は、シスターたちが平和で元気に過ごしていれば、それでいいんだ」


何ともいえないタイミングで振り向いた団司に、野瀬は驚かされる。

団司は、さらにひと言を野瀬に言いわたす。


「それだけだよ」


その言葉が、野瀬の胸にズドッと突き刺さる。

野瀬は、団司が言った「それだけだよ」という言葉のウラに潜む意味を

その胸で瞬時に理解した。


『これ以上調べても、何も出てこないよ』

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