使者の黙示録
(変だな)


ルゼはいないが、彼女が占いをするときに使う机が、そこにあり

机には赤いクロスが掛けられ、その上には白い巻物が置かれている。

違和感を感じるのは、机の位置が斜めに大きくズレており

ルゼは、かなり慌てて席を立ったことが、うかがえる。


「トイレか?」とも思ったが、戻ってくる気配がない。


ルゼに会えなかった団司は公園の方に足を進め、そこにあるベンチに腰をおろす。


(どこに行っているんだろうねえ)


そう思いながら首を後ろに倒し、何気なく真上を見上げた団司は

自分の目に映った光景に驚愕する。

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