使者の黙示録
シスター・マヤは、マザー・アミコから1歩さがり

メグと手をつないで、マザー・アミコの斜め後ろを歩いているのだが

その表情はどんよりと暗く、目はいつもの輝きが失せている。


ふだん、礼拝堂へ祈りを捧げる以外に、めったなことでは外出しない彼女は

多くの人たちがいる場所が、非常に苦手なのだ。

対人恐怖症というほど酷くはないが

それに近い感覚が、いま、シスター・マヤを怯えさせている。

まわりの人たちがシスター・マヤに投げかける、数多くの視線が

シスター・マヤをますます怯えさせ、彼女は身も心も萎縮してしまっているのだ。

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