使者の黙示録
マザー・アミコにすれば予想外の事態だ。

いつも修道院の中に籠りきりの少女たちは

さぞかし、外の世界に憧れているだろうと思いきや

シスター・マヤの反応は全然ちがう。


こんな元気のない暗い表情を、周囲の人たちに見せつけていては

「ユリアナ教団の修道院は健全である」と知らしめることは、とてもできない。

逆に、あそこの子どもたちは虐待を受けているのではないかと

そういうふうに思われかねない。


マザー・アミコは焦った。

計画のメインとなるシスター・マヤが、こんな状態では

計画自体が教団を窮地に追い込んでしまう。

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